Evelyne Bischof医師は、上海で診療を続ける現役の医師です。腫瘍学と長寿医療という二つの分野で同時に働いていて、両者を切り離すのは人為的で、しかも高くつくことだと考えています。
まず何よりも臨床医であり、本人もそう言います。病気があれば、その必要に応える。それが受けてきた訓練で、単なる仕事ではなく情熱なのだと。けれど同時に、フロンティアも必要だといいます。その考え方によれば、長寿は疾病医療(シックケア)に支えられて進んでいるのであり、疾病医療もまた、長寿の診断や介入から得られるものがとても大きいのです。
いちばんわかりやすい例は、すでに使われています。生物学的老化時計は、がん患者のトリアージを助け、それぞれに合った治療へと振り分けます。どの治療レジメンを選ぶか紙一重の判断になるとき、生物学的年齢の評価が決め手になります。そして最も大きな意味を持つのは、医療がいつも取りこぼしてきたグループ、つまりランダム化臨床試験の年齢上限を超えた患者さんたちです。こうした患者さんには、ある治療が効くのかどうか、実は誰にもわかりません。そんな状況では、誕生日ではなく体の状態を表す数字こそが、本当に役立つ判断材料になります。
James Kirkland教授とともに、トリプルネガティブ乳がんと膠芽腫を対象としたセノリティクスの共同研究を進めています。どちらも恩恵を受けられると考えている疾患です。
AIについては、この旅で私たちも会ったPeter Diamandisの言葉を引きます。医療でAIの導入を拒むことがヒポクラテスの誓いに背く行為になる時が来る、なぜならそれは害をなすことだから、と。長寿医療には、かつての腫瘍学よりもずっと強力な道具がいまある——オミクスのすべてと、エピジェネティクスへの理解の深まり——と考えています。そして、この分野に必要なのは、正しい場所に投じられるお金と、互いに対話しようとするさまざまな関係者の存在だと、率直に語ります。
その四か月前、ダブリンで初めて会ったとき、彼女は自ら「夢」と呼ぶものを始めようとしていました。それが Sheba Longevity Department の指揮です。本人によれば、病院の中に設けられた初めての長寿部門で、長寿医療を無料で提供します。大事なのは医療そのものではなく、入り口なのだといいます。医療と聞けば、人は医師にかかることを思い浮かべます。その建物の中に長寿医療を置けば、医療の外側にある漠然としたものではなくなり、ひとつの専門分野になっていく。アジア太平洋地域で活動しているのも同じ理由からです。フィリピン、そして望むらくはインドネシア。世界から注目されていないけれど、とても重要な国々だと言います。

Evelyneに初めて会ったのは、2023年8月、ダブリンのLongevity Summitでした。その四か月後、上海の勤務先の病院で再び撮影し、そこではマレクとアレクサンダーがそれぞれ別々にインタビューしました。冒頭、そもそもなぜ上海にいるのかを話してくれます。極端なものが好きで、上海はまさにそのひとつなのだと。この旅の中でも数少ない、研究室や会議、誰かの家ではなく、実際に動いている臨床医療の現場で交わされた会話です。
「極端なものが好きなんです。だから上海にいるんです」
— Evelyne Bischof、上海




「長寿は疾病医療に支えられていると思いますし、疾病医療のほうも、長寿の診断や介入から本当に多くを学べるし、大きな恩恵を受けられるんです」
Evelyne Bischof · 上海病気があれば、その必要に応える。それが私の受けてきた訓練ですし、楽しんでもいます。仕事というだけじゃなく、情熱なんです。でも同時に、フロンティアも必要なんです。
Evelyne Bischof生物学的老化時計は、がん患者をさまざまな治療へ振り分けるトリアージに役立っています。
Evelyne Bischof年齢を超えてしまって、もうランダム化臨床試験の対象にならない患者さんを診るとき、とても助けになるんです。そういう患者さんが治療で本当に恩恵を受けるのかどうか、わからないので。
Evelyne Bischof長寿医療には、当時の腫瘍学よりずっと強力な道具があると思いますし、オミクスのすべてがあります。
Evelyne Bischofずっと夢見ていたことなんです——長寿医療を民主化して、多くの人がいまでも「医療」と結びつけている場所に持ち込むこと。
Evelyne Bischof · ダブリン長寿という分野は、ものすごく包摂的なんです。いちばん素晴らしいことのひとつは、手に手を取って、少なくとも肩を並べて、一緒に取り組んでいることだと思います。
Evelyne Bischof · ダブリンダブリンと上海での会話から——なぜ二つの分野で働くのか、病院で生物学的年齢は実際に何に使われているのか、そしてAIはどこに行き着くと考えているのか。
病気を治すことと健康を延ばすことを分けて考えるのを、彼女は受け入れません。長寿研究は疾病医療によって資金を得て、前へ進んでいる。そして長寿の診断がクリニックに届いた瞬間、疾病医療はよりよくなる。それが彼女の立場です。
「私の情熱のひとつは、本当に、物事をつなげることなんです」
上海 · インタビューよりウェルネスの数字ではありません。生物学的年齢は治療レジメンを選ぶために使われ、何よりも、臨床試験から除外されたためにエビデンスの外にいる高齢の患者さんの治療を導くために使われています。
「そうした生物学的年齢の評価は、本当に大きな助けになるんです」
上海 · インタビューよりPeter Diamandisの言葉を引きます。臨床判断の手引きにAIを使うのを拒むこと自体が、ヒポクラテスの誓いへの違反になる時が来る、と。長寿医療にはいま、同じ段階にあった頃の腫瘍学よりも強力な道具がある。それが彼女の見方です。
「少なくとも、ヒポクラテスの誓いに背くことになります。害をなしているんですから」
上海 · インタビューよりビデオインタビューは近日公開です。収録したインタビューは、映画 & シリーズ『Live Beyond』の公開後に配信されます。
Evelyne Bischof医師との会話から選んだ一節です。2023年8月にダブリンのLongevity Summitで、そして2023年12月に上海で。上海では、マレクとアレクサンダーがそれぞれ一回ずつ、二つのインタビューに応じてくれました。取り除いたのは言いよどみだけです。
Evelyne Bischof「極端なものが好きなんです。だから上海にいるんです。でも実際のところ、私の情熱のひとつは、本当に、物事をつなげることなんです。長寿は疾病医療に支えられていると思いますし、疾病医療のほうも、長寿の診断や介入から本当に多くを学べるし、大きな恩恵を受けられるんです。この探求で、私がひとりじゃないことが本当にうれしいんです」
Evelyne Bischof「病気があれば、その必要に応える。それが私の受けてきた訓練ですし、楽しんでもいます。仕事というだけじゃなく、情熱なんです。でも同時に、フロンティアも必要なんです。長寿医療が必要なんです」
Evelyne Bischof「生物学的老化時計は、がん患者をさまざまな治療へ振り分けるトリアージに役立っています。……どのレジメンを使うか使わないか、紙一重のときにもとても助かりますし、年齢を超えてしまって、もうランダム化臨床試験の対象にならない患者さんを診るとき、とても助けになるんです。そういう患者さんが治療で本当に恩恵を受けるのかどうか、わからないので。だから、そうした生物学的年齢の評価は、本当に大きな助けになるんです」
Evelyne Bischof「たとえば、James Kirkland教授とはすごくいい議論をしています。教授はいま、トリプルネガティブ乳がんにたくさん取り組んでいて、これは私がものすごく情熱を注いでいるテーマなんです。それから膠芽腫も。どちらも、きっとセノリティクスから大きな恩恵を受ける疾患です」
Evelyne Bischof「私はいつもPeter Diamandisの言葉を引くんです。心から尊敬している人です。彼はこう言いました。医療全般で、いつか、AIを使って判断を導かないことは……」
Marek Piotrowski「犯罪になる」
Evelyne Bischof「少なくとも、ヒポクラテスの誓いに背くことになります。害をなしているんですから。だから、これはものすごく大きな力なんです。いま長寿医療には、当時の腫瘍学よりずっと強力な道具があると思いますし、オミクスのすべてがあります。エピジェネティクスが体に与える影響についても、ずっと多くのことがわかってきています。私たちにはそれがなかったし、腫瘍学ではまだ十分にはないんです」
Evelyne Bischof「科学は素晴らしいんです。それに、自信を持って言えますが、十分な資源が注ぎ込まれれば、もっと多くの、もっと優れた科学が生まれるはずです。だから資源が必要です。正しい場所に適切に投じられたお金が。でも配分だけでなく、たぶん、とても必要なのは、たくさんの関係者が関わって、お互いに話ができるようになることだと思います」
そして、その四か月前のダブリンから — 2023年8月のLongevity Summit。初めて会った場所です。
Evelyne Bischof「私は片足をまだ、いわゆる疾病医療に置いています。本当に疾病医療のシステムの中、大学病院の内科と腫瘍学に。そして同時に、長寿医療にも。いまは、もう何年も前から診ている自分の長寿の患者さんだけでなく、Sheba Longevity Departmentの指揮も執っています——病院の中で、長寿医療を無料で提供する、本当に初めての部門です。ずっと夢見ていたことなんです。長寿医療を民主化して、多くの人がいまでも「医療」と結びつけている場所に持ち込むこと。医療と聞けば、医者に行く、と考えますよね。それでいいんです。そう考えていていいんです。あとは、そこに何があるのか、医師がどう考えるのか、どんな診断があるのかを、もう少し知ればいいだけ。だから、この大学病院にいることで、長寿医療がほかの診療科にも浸透して、みんなが長寿医療について学び、一緒に働けるようになればと願っています」
Evelyne Bischof「長寿医療を、医学の中のひとつの専門分野という位置づけにすること。漠然として定義もなく、なんとなく医療に関係はあるけれど、まだ医療制度の外にあるもの、ではなくなるように。科学的であると同時に、臨床の現場にあること……これでその壁が破れると思います。そして、これはいま広がっている現象で、それが本当にうれしいんです。それから、公衆衛生や行政を通じて、長寿医療を人々に届けていくことも」
Evelyne Bischof「あなたはマーケティングの人で、これを多くの人に届けようとしている。私はただの科学者、臨床医で、できることには限りがあります。だから、あなたのような人が必要なんです。メッセージを届けて、それを正しい形で言葉にしてくれる人が……人々を教育して、いま何が起きているのか、何をすべきで何をすべきでないのか、未来に何が待っているのか、そして、まだわからないことがこんなに多いのに、なぜ私たちはこれをやっているのか、その知識を本当に届けてくれる人が」
Evelyne Bischof「長寿という分野は、ものすごく包摂的なんです……私自身、長寿医療、臨床の現場での健康長寿医療ということで言えば、本当に健康寿命にとても焦点を当てています……主に寿命そのものを延ばしたい、それも本当に大幅に延ばしたいというビジョンを持つ人たちがいる——それはクリニックでできることではないし、私たちが診療で目指していることでもありません。でも、それはコミュニティの大切な一部だと思います……臨床医として、私がいつも言わなければならないのは、RCTなどで証明されたこと、安全なことしか信じない、ということです。でも、ここで懐疑的なわけではないんです」
Evelyne Bischof「論文を発表している人を何人かフォローしていて、Alex Zhavoronkovが、2019年ごろにScienceに論文を発表したんです。彼の数えきれない論文のひとつです。とてもよく覚えています。ハヌカで、日曜日で、いつものコーヒーの朝で、ニュースや科学ニュースをチェックしていました。そして、それまで一度もしたことのないことをしたんです。連絡を取ったんです。彼のステータスに、上海にいると出ていたので。その日のうちに会いました……老化や老化研究のことは知っていましたが、長寿のムーブメントのことは、実はそれほど知らなかったんです。彼に出会えて、この分野で私のメンターになってもらえたのは、本当に幸運でした」
Evelyne Bischof「その年齢でも来る患者さんが多いですし、患者さんから、うちの子を助けてもらえませんか、と聞かれることもあります。それに、妊娠中の女性や、子どもを望むカップルもたくさん、その前に健康を整えようとやって来ます。メッセージはこうです。ムーブメントに加わろう。あとでどの分野に進むかは関係ありません……ティーンエイジャーのための長寿の協会があるんです。12歳から17歳くらいの生徒たちがいて……彼らがやっていることは驚くほどです。そういう若い人たちがいるなんて。論文を書いているんですよ。本当に意欲的なんです」
Evelyne Bischof「ぜひSheba Longevity Departmentに来てください。来てもらえたら本当にうれしいです。息子さんと一緒に検査を受けてもらって、二人を比べて——それで一年後にまた来てもらえたら」
Evelyne Bischof「まずは、どうか無事でいてほしい。無事に帰ってきてください。無事で健康に、できればもっと健康になって。二つ目は、目にするすべてのものから、正しいメッセージを受け取れるよう心から願っています。とても大事なことをおっしゃいましたよね。とても伝統的なものの、たぶんいちばん根っこのところから情報を掘り起こしていくことになるって……だから、たくさんの知識を掘り当てて、たくさんのインスピレーションを得てください。そして三つ目に、旅の終わりに大きな成功を。もっと多くの人に本当に届くものをつくれますように」
Evelyneが取り組むのはバイオハッキング・アップグレードと予防 — すでに診断を受けた患者さんのために、実際の臨床判断の中で使われる長寿のツール。
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