選択 · サウナ

サウナは、ごほうびのように感じられる、数少ない長寿の習慣のひとつです。私は息子のアレクと1年かけて世界を旅し、100人以上の科学者や医師に会いました。サウナの話は、研究室でも、クリニックでも、パーティーでさえ出てきました。そこで聞いてみたのです。サウナで本当に長生きできるのか、と。わかったことを、やさしい言葉でお伝えします。数字にはすべて出典があります。そして、ある研究が「ふたつのことが一緒に起きる」ことを示しているだけで、「一方がもう一方の原因だ」とまでは示していない場合は、そうはっきり書きます。
著者: Marek Piotrowski · 更新 2026-10-26
はじめにお読みください
このページは、研究と、私たちが出会った専門家が語っていることをお伝えするものです。医療上の助言ではなく、どの薬・サプリメント・治療もおすすめするものではありません。このページはあなたのことを何も知りません。何かを始めたり、やめたり、変えたりする前に、特に妊娠中の方、持病のある方、薬を飲んでいる方は、必ず医師に相談してください。緊急の場合は、救急番号(日本では119)に電話してください。
まず、熱が体にどう働くか。次に、何年も人を追いかける大きな長期研究。こうした研究は、何と何が一緒に起きるかを示します。それから実験。実験は原因と結果を示せますが、わかるのは数週間のことだけです。
熱いサウナの中では心拍が上がり、中くらいの運動をしているときと同じくらいになります。血管は広がります。細胞は熱ショックたんぱく質を多くつくります。ほかのたんぱく質を良い状態に保ってくれる、小さな助っ人です。小さくて安全なストレスが、体を強くするのです。科学者はこれをホルミシスと呼びます。
根拠: 人を対象にした多くの研究のレビュー · 体の反応について [3]研究者たちは、フィンランドの中年男性2,315人を約20年間追いかけました。週に4〜7回サウナに入った男性は、週1回の男性に比べて、その期間に亡くなる確率が約40%低かったのです。心臓病で亡くなるリスクは約半分でした。1回19分を超える入浴は、心臓による突然死が少ないことと関係していました。ただしこれは関連で、証明ではありません。ほぼ毎日サウナに入れる男性は、ほかの面でも健康だったり、暮らしにゆとりがあったりするのかもしれません。
根拠: 大規模研究 · 男性2,315人 · 20年 · 関連を示すもので、証明ではない [1]同じグループで、週に4〜7回入った男性は、週1回の男性に比べて、アルツハイマー病を含む認知症になる確率が約65%低かったのです。週2〜3回では、はっきりした差はありませんでした。
根拠: 同じ大規模研究 · 関連を示すもので、証明ではない [4]サウナによく入ることは、高血圧が少ないこととも関係していました。女性と男性を対象にした別のフィンランドの研究では、脳卒中が少ないこととも関係していました。
根拠: 大規模研究 · 関連を示すもので、証明ではない [5][6]ふだんあまり体を動かさず、心臓病のリスクをいくつか持つ大人47人が、8週間運動をしました。そのうちひとつのグループは、毎回の運動のあとに15分間サウナにも入りました。このグループは体力がつき、血圧(上の数字)がさらに約8 mmHg下がりました。ここでは、サウナのおかげだと言えます。ただし、8週間だけの、少人数での結果です。
根拠: 実験 · 47人 · 8週間 · 因果関係を示す [2]座っている時間の長い若い大人が、8週間、定期的に熱いお風呂に入りました。血管の働きがよくなり、動脈がやわらかくなり、血圧が下がりました。フィンランドと同じ方向の結果を、今度は実験で確かめたことになります。
根拠: 小さな実験 · 若い大人 · 8週間 [7]日本では、心不全(心臓のポンプの力が弱くなった状態)で入院している人が、2週間、やさしい遠赤外線サウナに入りました。「和温療法」と呼ばれるものです。前より長く歩けるようになり、体調もよくなり、レントゲンで見た心臓も小さくなりました。これは良いサインです。重い害が増えることもありませんでした。ただ、医師たちが改善を期待していた血液検査のひとつは、よくなりませんでした。
根拠: 実験 · 入院中の人 · 2週間 [8]いちばんリスクが低かったのは、体力があって、しかもよくサウナに入る男性たちでした。サウナは運動の効果に上乗せされるもので、運動の代わりにはならないようです。
根拠: 大規模研究とレビュー · 関連を示す [9]熱ショックたんぱく質は、線虫やハエの寿命を延ばします。サウナで人にも同じことが起きると示した人は、まだいません。
根拠: 動物のみ · 人では示されていない [3]長期的なエビデンスのほとんどは、ひとつの研究から来ています。対象は、子どものころからサウナが生活の一部になっているフィンランドの、中年男性たちです。よくサウナに入る男性は、もともと健康だったり、暮らしにゆとりがあったりしただけかもしれません。研究者たち自身もこう言っています。確かめるには、長い期間の実験がまだ必要だ、と。
根拠: わかっていることの限界 [3]汗と一緒に体の外へ出る汚染物質は、ごくわずかです。その仕事をするのは肝臓と腎臓で、汗よりずっと上手にこなしてくれます。ですから、オゾンサウナも含めて、サウナはデトックスではありません。
根拠: 研究のレビュー [10]時間をとって教えてくれた科学者のみなさんに、心から感謝しています。私たちは旅のあいだずっと、サウナについて質問してきました。カリフォルニアの研究所で、ロサンゼルスのポッドキャストのスタジオで、そしてハーバードで。ここでは3人の答えを並べてご紹介します。
「では、レジリエンスの話をすると、サウナに入ったらどうなるでしょう? 全身が温まります。それがまた、まったく別の反応を引き起こします。サウナから出てきたとき、あなたは入る前と同じ人ではありません。断食しても同じです。つまり、寿命を延ばすとわかっているこうした介入のすべて、ホルミシスという考え方そのものが、環境に対する体の適応によって引き起こされているのです。」
かんたんに言うと: 熱や、何も食べない日のような、小さくて安全なストレスを体に与えると、体はそれに応えて強くなります。Ericは、それが長生きにつながると考えています。その裏付けの多くは、動物の研究から来ています。人については、上で紹介した関連と短い実験があります。
「バイオハッキングの道具、赤色光やサウナ、どちらも今朝やりましたが、それに正しく食べること、睡眠、運動、こうしたものはどれも基本です。でも、繰り返しになりますが、それで私たちがそれほど遠くまで行けるわけではありません。今の遺伝的な可能性が許すところまで、健康でいさせてくれるということです。」
かんたんに言うと: サウナ、良い食事、睡眠、運動は、自分の遺伝子が許す範囲で健康でいる助けになります。でも、その先までは連れていってくれません。それでもPeterは、その日の朝もサウナに入っていました。
「運動やサウナ、栄養の最適化や睡眠のような、生活習慣の取り組みをする人がいるのは、すばらしいことだと思います。どれも本当に大切です。でも、そうしたものが老化という問題の解決に、意味のある効果を持つとは思いません。少し遅らせようとしているだけ、という感じです。」
かんたんに言うと: Nathanは、良い習慣をやめなさいと言っているのではありません。良い習慣で老化が遅くなるのはほんの少しで、老化を解決するには新しい科学が必要だ、と言っているのです。私たちは、ふたりのどちらにも賛成です。サウナを楽しみましょう。ただ、奇跡は期待しないでください。

サウナの歴史がいちばん古い土地では、サウナがひとりきりの習慣だったことはありません。フィンランドでは、家族や友だちと一緒に入ります。暮らしにすっかり根づいていて、2020年にはユネスコが、フィンランドのサウナ文化を無形文化遺産に登録しました。日本でも、人々は何百年も前から、銭湯や温泉でいっしょにお湯につかってきました。まず体を洗ってから、お湯に入ります。そして日本の新しいサウナ好きたちは、サウナ、水風呂、休憩のあとに訪れる深い落ち着きを、ひとことで呼ぶ言葉まで持っています。「ととのう」です。トロントでは、お酒を出さないサウナナイトを見ました。バーの代わりにサウナが、人と出会う場所になっているのです。長寿の科学者でさえ、今ではサウナから始まるパーティーに出かけています。
「どこのパーティーに行っても、誰かが寄ってきて『長寿の最新情報は?』と聞いてこないことはありません。先週末のパーティーでは、夕食の前にまずやったのが冷水浴とサウナでした。30年前に、こんなことが想像できたでしょうか。」
ある小さな実験で、うつ病の人が、全身を温めるセッションを1回だけ受けました。体の中の温度を約38.5 °Cまで上げるものです。偽のセッションと比べて、沈んだ気分が6週間やわらぎました。まだ早い段階で、治療法ではありません。この節のほかの部分は、文化と私たち自身の体験であって、科学ではありません。
根拠: 小さな実験 · 1回のセッション [11]
お酒と熱が重なると、血圧が下がったり、心臓のリズムが乱れたり、転んだり、やけどをしたりすることがあります。フィンランドでサウナで亡くなる人の多くには、お酒が関わっています。 [3][12]
| 心臓に問題がある | 次のような場合は、サウナに入らないでください。予測できないときに起こる胸の痛み(不安定狭心症)がある、心筋梗塞を起こした直後、心臓の弁がひどく狭くなっている(重い大動脈弁狭窄症)、心不全が悪化している、血圧がコントロールできていない。熱があるときや体調が悪いときもやめましょう。安定した心臓病なら、多くの場合は問題ありません。ただ、まず医師に聞いてください。 | エビデンスのレビュー [3] |
|---|---|---|
| めまいがする | サウナの中やその直後は、血圧が下がることがあります。血圧の薬を飲んでいる場合は特にそうです。ゆっくり立ち上がりましょう。水を飲みましょう。 | エビデンスのレビュー [3] |
| サウナのあとに氷水 | 熱いところから、いきなり氷のように冷たい水に入るのは、心臓に大きな負担です。心臓病がある方は、組み合わせる前に医師に聞いてください。そして誰であっても、サウナのあとに冷たい水へ頭から飛び込んではいけません。 | レビュー · 死亡例あり [3] |
| 妊娠中 | 妊娠初期に体温が高くなることは、赤ちゃんの脳や背骨の先天異常と関連しています。医師がよいと言わない限り、熱いサウナや熱い湯船は避けてください。 | 多くの研究のレビュー · 関連 [13] |
| 子どもを望んでいる | 定期的なサウナは、男性の精子の数を一時的に減らします。やめると、数か月で元に戻ります。 | 人を対象にした研究 [14] |
| 子ども、高齢の方、はじめての人 | 子どもは短い時間だけ、大人と一緒に。高齢の方とはじめての人は、短めに、熱すぎないところから始めましょう。 | 一般的な医学上の注意 [3] |
私たちが考えたプランはお出ししません。ここにあるのは、上で紹介した研究で実際に使われたやり方です。科学が持っているレシピに、いちばん近いものです。
| 頻度 | フィンランドで結果が出たのは週4〜7回でした。週2〜3回では、差は小さいか、はっきりしませんでした。 | 大規模研究 [1][4] |
|---|---|---|
| 時間 | フィンランドでは、1回19分を超える入浴が、心臓による突然死が少ないことと関係していました。運動の実験では、毎回の運動のあとに15分でした。 | 大規模研究 · 実験 [1][2] |
| 運動と一緒に | 運動のあとのサウナは、運動で得られる体力と血圧への効果に上乗せされました。 | 実験 [2] |
| 昔ながらのサウナか、遠赤外線か | フィンランドの長期研究は、昔ながらの熱いサウナについてのものです。やさしい遠赤外線は、心臓の弱い人で2週間試されました。一生続けた結果ではありません。 | 大規模研究 · 実験 [1][8] |
「きちんとやるなら、サウナは好きです。ですから、日本人がするように、入る前に肌を洗ってください。熱の中に入る前に、よく洗うことです。」
ここに書いたことはすべて、研究で使われた内容を情報としてお伝えしているものです。あなたのためのプランではありません。まず医師に相談してください。
このページの数値はすべて、角かっこ内の番号の出典に基づきます。引用はLive Beyondが収録したインタビューからのもので、言いよどみだけを整えています。 医療上の助言ではありません。何かを変える前に医師に相談してください。