選択 · 遺伝子治療と長寿

長寿のための​遺伝子治療:あなたなら​受けますか?

高い木々とシダのあいだの森の小道で話すMarekとLiz Parrish。そばには、リードにつながれた金色の犬がいます。
2024年6月、シアトル近くの森を散歩するMarek PiotrowskiとLiz Parrish。遺伝子治療についてのLive Beyondの会話です。

旅のなかで、息子のAlekと私は39の国と州で100人を超える長寿の専門家に会いました。遺伝子治療の話は何度も出てきました。遺伝子をひとつ加えることで、私たちをもっと若く保てるかもしれないというアイデアです。私は自分で試してみたいと思いました。そこで、いちばん信頼している科学者たちに尋ねました。あなたなら受けますか?このページでは、遺伝子治療とは何か、何が示されていて何が示されていないのか、そして彼らがどう答えたかを紹介します。まだ証明が必要ですが、先駆者たちはもう歩き出しています。

著者: Marek Piotrowski · 更新 2026-10-30

要点

有望で、最初の結果はもう出ています。私たちにとって長寿とは、単に寿命の長さではありません。健康で、力強く、頭がはっきりしていて、喜びにあふれた年月が増えることです。遺伝子治療が目指しているのは、まさにそこです。

動物では、寿命が長くなると同時に健康にもなり、実際に受けた先駆者たちは、筋肉が増え、テロメアが長くなり、頭がさえ、重い副作用はなかったと報告しています。人を対象にした大規模な臨床試験は始まったばかりで、私たちが話を聞いた科学者の多くは、そこから始めると答えました。 [1][2][3]

これは医療上の助言ではありません。

このページは、私たちの旅での経験と、科学者たちが私たちに語ってくれたことをお伝えするものです。どの薬・ペプチド・サプリメント・治療もおすすめするものではなく、あなたのことを何も知りません。

ご自身の主治医に相談せずに、薬・ペプチド・サプリメント・治療を始めたり、やめたり、変えたりしないでください。主治医はあなたの健康状態を知っていて、血液検査の結果を確認できます。妊娠中や妊娠を考えている方、持病のある方、ほかの薬を飲んでいる方は、なおさらです。

私たちの考える長寿:健康で喜びに満ちた年月を、もっと長く。 私たちの定義 →

24%1歳のときにテロメラーゼの遺伝子治療を受けたマウスで延びた、典型的な寿命の長さ。しかも健康で、がんは増えませんでした。[1]
6.71 → 8.12kb:Liz Parrishが2015年に遺伝子治療を受ける前と、2018年の白血球のテロメアの長さ。本人の測定によるものです。[4][5]
26+人。Dr. Patrick Sewellがフォリスタチンの遺伝子治療を行い、悪い変化はひとつもなかったと話してくれた人数です。

遺伝子治療とは

華やかなホテルの廊下を歩くLiz ParrishとMarekの後ろ姿。
2023年、上海のホテルを歩くLiz ParrishとMarek Piotrowski。彼女が受けた4つの遺伝子治療について話すLive Beyondの一場面です。

遺伝子は、体への指示書です。遺伝子治療は、ひとつの指示書の新しいコピーを細胞に加えて、年をとると体が作らなくなっていくタンパク質を、もっと作れるようにします。遺伝子はふつう、中身を空にした無害なウイルス、ベクターに乗って運ばれ、細胞のなかに届けられて、そこにとどまります。

長寿の分野で何度も出てくる遺伝子が4つあります。フォリスタチン(筋肉を保つのを助ける)、クロトー(腎臓、脳、血管の健康に関係する)、テロメラーゼ(染色体の端を守る)、そしてPGC-1α(細胞のエネルギー工場を助ける)です。Liz Parrishは、この4つすべてを自分で受けました。2015年にフォリスタチンとテロメラーゼ、そして2020年に4つまとめてです。

遺伝子治療は遺伝子編集ではない

CRISPRのような遺伝子編集は、すでにある遺伝子の文字を書き換えます。老化に対して話題になっている遺伝子治療は、あなた自身の遺伝子を変えるものではありません。役に立つタンパク質をもっと作る、働くコピーを1つ追加するのです。

根拠: 治療のしくみ

より長い人生、そしてよりよい人生

インタビュー中に微笑む、赤いシャツのMatt Kaeberlein。
2024年6月、シアトルのMatt Kaeberlein。寿命と健康寿命について、Marek PiotrowskiがLive Beyondのために行ったインタビューです。

私が長寿と言うとき、それは寿命の長さだけを意味していません。私の定義では、よい人生のあらゆる期間のことです。健康でいられる期間、喜びのある期間、頭が冴えている期間、美しさを保つ期間、体が動く期間。強く、頭がはっきりしていて、幸せでいられる年月です。私たちにとっての長寿とは。

科学が、弱った体で過ごす年月を増やすだけなのではないかと心配する人もいます。何十年も老化を研究してきたMatt Kaeberleinは、シアトルで、研究室で見ているのはそうではないと説明してくれました。

「障害を抱えて弱った体で過ごす20年が増えることを望む人はいません。大切なのは、人々を安心させることだと思います。まず、それは目標ではありません。そして[…]実験動物で、寿命が延びたのに健康寿命が延びなかったケースを、私は一度も見たことがありません。むしろ、ラパマイシンのような介入は健康寿命を不釣り合いなほど延ばします。つまり動物は長く生きるだけでなく、寿命のなかで健康でいる割合がさらに大きくなるんです。」
Matt Kaeberlein · 老化の生物学者 · シアトル、2024年6月 · 翻訳

かんたんに言うと: 動物の研究では、長く生きることと健康でいることは一緒に起きます。だからこそ、老化そのものを狙う治療はこんなにもわくわくするのです。年数が増えるだけでなく、よい年月が増えるのですから。

これまでにわかったこと

ハーバード・メディカルスクールの演台に立つGeorge Churchと、その前の聴衆。
2024年11月、ボストンのハーバード・メディカルスクールで話すGeorge Church。Biomarkers of Agingカンファレンスで、Live Beyondが撮影しました。

マウスでは、寿命を延ばせる

1歳(マウスにとっては中年です)でテロメラーゼの遺伝子治療を受けたマウスは、平均でおよそ24%長く生き、より健康で、がんも増えませんでした。クロトーを多く作るマウスも、長生きします。

根拠: マウスでの研究 [1][6]

複数の遺伝子を一度に

George Churchの研究室では、3つの遺伝子をひとつに組み合わせた治療が、マウスで加齢に関係する複数の病気、つまり肥満、2型糖尿病、心不全、腎不全を同時に改善しました。

根拠: マウスでの研究 [2]

人では、まれな病気に

遺伝子治療は、いくつかのまれな遺伝性の病気については、すでに承認された医療です。2017年の遺伝性の失明の治療がその始まりでした。老化については、人を対象にした臨床試験が始まったばかりです。

根拠: 承認された治療 [7]

先駆者たちの報告

ロンドンの明るい部屋で、黒いピアノのそばに座り、両手で説明するDr. Patrick Sewell。
2024年7月、ロンドンのPatrick Sewell。フォリスタチンとクロトーの遺伝子治療について、Marek PiotrowskiがLive Beyondのために行ったインタビューです。

人を対象にした大規模な臨床試験はまだありません。でも、結果はもう出ています。これらの遺伝子治療を最初に受けた人たちは、自分の体を測り続けていて、医師たちもそれを注意深く見守っています。

Liz Parrish:長いテロメア、増えた筋肉、さえた頭

2015年9月、最初の遺伝子治療を受ける前、Liz Parrishの白血球のテロメアは6.71 kbで、年齢のわりに短いものでした。2016年3月には7.33 kb、2018年には8.12 kbになり、BioVivaによれば2024年には健康な25歳よりも長くなっていました。彼女は、何年たっても保たれている筋肉量の増加、筋肉のなかの脂肪の減少、とてもよい血糖コントロール、非常に低い炎症、そして副作用がないことも報告しています。さらにクロトーのあと、IQが10ポイント上がったと話しています。

根拠: 本人の測定。BioVivaが公表 [4][5][3]
「クロトーを受けたあと、私のIQは10ポイント上がりました。」
Liz Parrish · BioViva創業者 · BioVivaの記事「The World’s Most Genetically Modified Person」、2024年 · 翻訳

ロンドンでは、Dr. Patrick Sewellが、フォリスタチンの遺伝子治療をした人たちについて話してくれました。

「私自身、フォリスタチンでおよそ26人の患者を治療してきました[…]もしかすると30人以上かもしれません。[…]悪い変化はゼロで、本当に素晴らしいことでした。アレルギー反応も、死亡も、体調不良も、病気もありませんでした。」
Patrick Sewell · 再生医療と遺伝子治療の医師 · ロンドン、2024年7月 · 翻訳

そして彼にとって、筋肉が大きくなるのは始まりにすぎません。

「HbA1cを下げます。これは肥満や2型糖尿病に関係する値です。[…]さらに、動脈硬化のプラークが吸収されるのを助け、しばしば実際に吸収させます。つまり、心臓の冠動脈のプラーク、脳の動脈のプラークで、これらは心筋梗塞や脳卒中に関係しています。[…]初期のデータでは、実際にそうなっています。フォリスタチンのあと、プラークは退縮するんです。」
Patrick Sewell · 再生医療と遺伝子治療の医師 · ロンドン、2024年7月 · 翻訳

彼はクロトーにも同じくらい期待しています。年をとると脳のなかのクロトーが減り、それと一緒に、ちょっとした物忘れや頭のもやもやが出てくるのです。

「クロトーを再び入れて、脳のなかのクロトーの量を上げると、そうした症状は時間をさかのぼって、10年前や20年前の状態に戻ります。だから、アンチエイジング治療としてのクロトー治療は、たとえば遺伝子治療でクロトーの量を上げることで、頭をすっきりさせてくれるんです。」
Patrick Sewell · 再生医療と遺伝子治療の医師 · ロンドン、2024年7月 · 翻訳

かんたんに言うと: 少ない人数での初期の結果ですが、とても良好に見えます。いま始まろうとしている臨床試験で、これらの治療がどれほど効くのか、そして誰に効くのかがわかってくるでしょう。

まだ証明が必要なこと

白いひげのGeorge Churchが話を聞いているところのクローズアップ。
2024年11月、ボストンのハーバード・メディカルスクールのGeorge Church。なぜ臨床試験が先なのかについて、Marek PiotrowskiがLive Beyondのために行ったインタビューです。

誰にでもどれだけ効くのか

これまでの結果は、動物の研究と、少数の先駆者たちから得られたものです。これらの治療がどれだけ役立ち、誰に役立つのかを示すのは、大規模な臨床試験です。

根拠: いまの科学の位置

一人が試すことで多くがわかるのか

George Churchは、なぜ急がないのかを説明してくれました。一人の人が、比べる相手もなく、盲検化もせずに治療を試しても、効果がよほど劇的でないかぎり、私たちはほとんど何も学べません。その人に効いたのかどうかさえわからないのです。

根拠: インタビュー、ボストン、2024年11月
「書類の上ではとてもよく見えるものが人を死なせてしまったケースは、たくさんあります。たとえば、最初の2つの遺伝子治療では何人かが亡くなりましたし、最初のモノクローナル抗体では、初日に4人があやうく亡くなるところでした。」
George Church · 遺伝学者、ハーバード・メディカルスクール · ボストン、2024年11月 · 翻訳

かんたんに言うと: 研究室では完璧に見えたものが、人の体ではうまくいかないこともあります。だからこそ臨床試験は小さく始めて、ゆっくり進み、注意深く見守るのです。

知っておきたい言葉

遺伝子を知るための3つの言葉

用語集から。カードをタップするとめくれます。裏には科学と、それを教えてくれた人たちの言葉があります。

No. 33 / 66治療

遺伝子治療

細胞に、新しい指示や修正した指示を、DNAの中に届けること。

No. 33 / 66治療

遺伝子治療

ひとつの遺伝子の不具合が原因で起こる、一部のまれな遺伝性の病気にはすでに使われています。老化そのものに対してはまだ実験段階で、Liz Parrishを筆頭に数人が自分の体で試しましたが、大規模な臨床試験は行われていません。今日の限界の先へ私たちを連れて行ってくれるかもしれず、安全性をいちばん注意深く見守るべきものでもあります。 続きを読む →

「120歳という壁を打ち破るのは、遺伝子治療だと本当に信じています。」

Liz Parrish · ダブリン、2023年8月
レベル 03 · ラディカルな寿命延長
No. 46 / 66体の中

エピジェネティクス

遺伝子の上にあるスイッチ。

No. 46 / 66体の中

エピジェネティクス

配列は決まっていますが、どの部分のスイッチが入るかは決まっておらず、生活習慣が実際にあなたの生物学に届くのはそこなのです。

役立つこと

エピジェネティックな年齢の検査は広く受けられるようになりましたが、まだばらつきが大きいままです — 1回の測定値としてではなく、何年かの流れとして使うものです。 続きを読む →

この話がいちばん多く出たのは、この人たちとの会話でした: Eric Verdin, Steve Horvath, Vittorio Sebastiano

No. 13 / 66ふだんのことば

老化の特徴

年をとるにつれて、誰の体でもうまくいかなくなっていく12のこと。

老化の12の特徴で見る
No. 13 / 66ふだんのことば

老化の特徴

科学者たちは2013年に初めてこのリストをつくり、2023年に12項目に広げました。私たちが撮影したGuido Kroemerは、その著者のひとりです。このページの下にあるプロセスは、すべてこの12のどれかに属しています。

あなたなら受けますか?専門家たちの答え

ハーバードの高い窓のそばの革のひじ掛け椅子に座り、手ぶりを交えて話すGeorge Church。
2024年11月、ボストンのハーバード・メディカルスクールのGeorge ChurchとMarek Piotrowski。Marekが「あなたなら受けますか?」と尋ねたLive Beyondのインタビューです。

私は、未来がやってきていることを人々に見せるために、これらの遺伝子治療のひとつを自分で受けてみたいと思っていました。そこで旅の途中で、いちばん信頼している科学者たちに同じ質問をしました。あなたなら受けますか?答えは本当にさまざまで、そのどれもが正直でした。

これらの治療の多くのもとになった遺伝子の組み合わせを研究してきたGeorge Churchは、私が何度も思い返す答えをくれました。

「私はその中間です。よく考えられた臨床試験で、前臨床の段階がかなりはっきりしているなら、受けると言うでしょう。組み合わせで行うなら、その組み合わせそのものを、できれば霊長類か、ヒトのオルガノイドか、何かほかのもので、できれば両方で試す必要があります。そうしてこそ本当に理解できるんです。」
George Church · 遺伝学者、ハーバード・メディカルスクール · ボストン、2024年11月 · 翻訳

かんたんに言うと: はい。ただし、動物での明確な結果にもとづき、実際に受けるのとまったく同じ組み合わせを検証する、きちんとした臨床試験のなかでなら。

そして彼は、何かを試すのが自分が最初でなくても、慎重さが大切な理由を説明してくれました。

「そう、あなたは最初の一人ではないかもしれない。でも、何か特別な事情を持った最初の一人かもしれませんよね?たとえば、それと相互作用するほかの薬を飲んでいるかもしれないし、特定の問題が起きやすい遺伝的な体質があるかもしれないし、自分で知っている、あるいは知らない感染症を持っているかもしれない。[…]私たちは最悪に備えて最善を願うのであって、ただ「運がいい気がするか、ロシアンルーレットをやるか」ではないんです。」
George Church · 遺伝学者、ハーバード・メディカルスクール · ボストン、2024年11月 · 翻訳

かんたんに言うと: 体は一人ひとり違います。ほかの人には問題なかった治療でも、あなたのなかの何か特別なものとぶつかるかもしれません。

老化は克服できると一生をかけて訴えてきたAubrey de Greyの答えは、意外なものでした。

「いいえ、まだ受けません。でも、それはたいした意味を持ちません。[…]そもそも私は、根っからリスクをとるタイプではないんです。でも、Lizのような人たちが思い切って、自分にとって最善だと思うことをしたことには拍手を送るべきだと思います。そしてLizのような人たちが自分自身のデータを集め、それを私たちに分析させてくれるよう励まし、後押しして、発見につなげていく必要があります。」
Aubrey de Grey · 生物医学的老年学者 · ダブリン、2023年8月 · 翻訳

かんたんに言うと: 彼自身にとっては、まだです。でも、先に進んでデータを共有する人たちは、ほかのみんなを助けています。

友人になったVittorio Sebastianoは、迷いませんでした。

「だって、私たちは友だちだって言ってくれたでしょう?だから友だちとして、はっきり言いますが、やってほしくないんです。少なくとも、いま私たちが持っている情報では、いまはやめてほしい。[…]きちんと行われる臨床試験の一部としてなら、いいんじゃないでしょうか。」
Vittorio Sebastiano · 幹細胞の研究者、スタンフォード大学 · ボストン、2024年11月 · 翻訳

かんたんに言うと: いまではなく、ひとりで勝手にでもなく。でも、きちんと行われる臨床試験のなかなら、いいのでは。

長寿クリニックも運営する医師のAndrea Maierは、いつならイエスと言うかをはっきり話してくれました。

「もちろん。やりましょう。絶対に。死ぬには人生は短すぎます。あなたにまったく同感です。ただ、そのうえで、どんな努力が必要なのか、それに見合う価値があるのか、誰にとってそこまで踏み込む価値があるのかを決めないといけません。でも、たくさんの人が受けられるようになるなら、もちろんです。やりましょう。だって、それが医療ですから。私は人が死なないようにするために医学を学んだんです。」
Andrea Maier · 長寿医療の医師・研究者 · ダブリン、2023年8月 · 翻訳

かんたんに言うと: 証明されて、ごく一部の人だけでなく、多くの人が受けられるようになったら。

Peter Diamandisなら受けるでしょうか?かなり近いところまで来ています。

「私たちは自分たちを、いちばんの実験台だと考えています。だから、こうした治療は早い段階で試します。クロトーとフォリスタチンの両方を受けたいという気持ちに、かなり近づいています。あと1年か2年待って、それから受けてもいいと思っています。」
Peter Diamandis · XPRIZE創設者、Fountain Life共同創業者 · ロサンゼルス、2025年12月 · 翻訳

Liz Parrishには、二度尋ねる必要はありませんでした。2015年、彼女は老化に対する遺伝子治療を自分で受けた、最初の人たちのひとりになりました。その理由を、彼女はこう説明しました。

「私は長生きするためにこの業界に来たのではありません。息子が診断を受けたから来たんです。[…]永遠に生きるために来たのではありません。それができるのかを確かめに来たんです。[…]私は行動する人間です。行動しながら死ぬなら、それは私の問題であって、彼らの問題ではありません。」
Liz Parrish · BioViva創業者 · ダブリン、2023年8月 · 翻訳
「今年、少なくとも3600万人が、生物学的な老化に関連する病気で亡くなります。だからこれは、新しい医療を出して、いま使えるくらい安全だと言える場面なんです。」
Liz Parrish · BioViva創業者 · シアトル、2024年6月 · 翻訳

かんたんに言うと: Lizにとっては、待つことにも代償があります。毎年、何百万人もの人が、老化とともにやってくる病気で亡くなっているのです。

Dane Gobelなら受けるでしょうか?はい、おそらく。

「フォリスタチンの臨床試験に参加しないかと誘われましたし、実はクロトーの臨床試験をやることについても何人かと話しています。[…]個人的にはとても興味深いと思っていて、おそらく受けるでしょう。しっかり調べてみたいですね。」
Dane Gobel · 長寿分野の起業家 · ワシントン、2024年6月 · 翻訳

Oz Garciaも待ちませんでした。一緒にセントラル・パークを歩いたとき、彼はちょうど受けたところでした。

「私の年齢では、筋肉が衰えること、つまり老化や早すぎる老化のサインであるサルコペニアが気になっているので、フォリスタチンの遺伝子治療ができると知ってすぐ、行って受けてきました。そういうわけで、私は自分を、進んで実験する人間だと考えています。」
Oz Garcia · 栄養士・著者 · ニューヨーク、2024年6月 · 翻訳
「いちばんの理由は、老化に対する備えだと思います。[…]年をとるにつれて、どれくらい運動するか、どんな運動をするかに気をつけたいと思うようになりました。[…]そしてフォリスタチンの遺伝子治療は、ある意味で努力をしなくても、とても健康な筋肉をかなりの量つけられる、非常に有望な方法なんです。」
Oz Garcia · 栄養士・著者 · ニューヨーク、2024年6月 · 翻訳

Buck Institute for Research on Agingを率いるEric Verdinは、急いでいません。彼は分野全体のことを心配しています。

「私のなかには、怖いと思っている部分があります。私たちはまだ新しい分野だからです。いちばんあってはならないのは、若い人を死なせてしまうことです。そして、行われているリスクの高い介入のいくつかを心配しています。Lizがしたことが危険だと言うつもりはありません。技術的な詳細をすべて知っているわけではないので。でも、やはり心配です。」
Eric Verdin · Buck Institute for Research on Aging所長 · カリフォルニア、2024年5月 · 翻訳

では、あなたなら受けますか?こうした遺伝子治療について人はどうすべきかとBrian Kennedyに尋ねると、彼はその問いを私たち一人ひとりに返してきました。

「人に何をすべきかを言うのは好きではありません。これを見ている人が健康寿命を延ばしたいなら、自分の性格に合ったやり方を選ぶべきだと思います。検証された介入、つまりほとんどが生活習慣になりますが、それだけをやりたいのか、それとも最先端に立って幹細胞治療や遺伝子治療を試したいのか。[…]自分がどこに立ちたいのかを決める必要があります。」

喜びはどこに

庭の小道で一緒に笑うAubrey de GreyとMarek。
カリフォルニア州ロスガトスで、散歩しながら笑うAubrey de GreyとMarek Piotrowski。Live Beyond。

私はまだ決めていません。ボストンでGeorgeにはこう話しました。

「未来がやってきていることを人々に見せるためだけにでも、受けてみたいんです。」

私にとっての喜びはここにあります。これらの科学者たちは、私たちみんながどれだけ長く生きるかを変えるかもしれないことに取り組んでいる生身の人間で、答えが「まだ」のときでさえ、友人として正直に答えてくれました。そのあいだも、証明されていることは無料です。毎日体を動かすこと、よく眠ること、本物の食べもの、そして大切な人たちと過ごす時間。それが、科学が届くときにそこにいられるだけの健康を保ってくれます。

気をつけたい人

臨床試験のなかだけで

老化に対する遺伝子治療は、健康な人向けにはどの国でも承認されていません。海外のクリニックのなかには、臨床試験の外で、お金をとって提供しているところもあります。遺伝子治療は、いったん細胞に入ると取り消すことができません。興味があれば、登録された臨床試験を探し、まず医師に相談してください。

あなた自身の状況

飲んでいるほかの薬、気づいていない感染症、あるいはあなたの遺伝子によって、治療の効き方は変わることがあります。まさにGeorge Churchが指摘した点です。

根拠: インタビュー、ボストン、2024年11月

臨床試験に参加する前に尋ねたいこと

医療上の助言ではありませんし、遺伝子治療をすすめるものでも、反対するものでもありません。研究が示していることと、科学者たちが私たちに話してくれたことを紹介しています。

長寿マップのなかの遺伝子治療

これは医療上の助言ではありません。

このページは、私たちの旅での経験と、科学者たちが私たちに語ってくれたことをお伝えするものです。老化に対する遺伝子治療は実験段階です。老化の治療として承認された遺伝子治療はなく、臨床試験の外で治療を提供するクリニックもあり、そこでは安全性が第三者によって確認されていません。体は一人ひとり違います。ある人に効いたことが、別の人にも同じように効くとは限りません。

ご自身の主治医に相談せずに、薬・ペプチド・サプリメント・治療を始めたり、やめたり、変えたりしないでください。主治医はあなたの健康状態を知っていて、血液検査の結果を確認できます。緊急の場合は、救急番号(日本では119)に電話してください。

出典

このページの数値はすべて、角かっこ内の番号の出典に基づきます。引用はLive Beyondが英語で収録したインタビューからのもので、ここでは日本語に訳し、言いよどみだけを整えています。 医療上の助言ではありません。何かを変える前に医師に相談してください。

  1. Bernardes de Jesus B, Vera E, Schneeberger K, Tejera AM, Ayuso E, Bosch F, Blasco MA. Telomerase gene therapy in adult and old mice delays aging and increases longevity without increasing cancer. EMBO Mol Med. 2012;4(8):691-704. doi:10.1002/emmm.201200245
  2. Davidsohn N, Pezone M, Vernet A, et al., Church GM. A single combination gene therapy treats multiple age-related diseases. Proc Natl Acad Sci USA. 2019;116(47):23505-23511. doi:10.1073/pnas.1910073116
  3. Alonzi A, Hall R. The World’s Most Genetically Modified Person. BioViva Science, 2024. bioviva-science.medium.com/the-worlds-most-genetically-modified-person-dcc342b93d3e (BioViva’s own report.)
  4. The Scientist. First data from anti-aging gene therapy. April 2016. (Telomere results reported by BioViva; not peer-reviewed.)
  5. Parrish E. Update on her 2015 telomerase and follistatin gene therapies, BioViva, 2018. Reported in Fight Aging!: An update on a human telomerase and follistatin gene therapy, August 2018.
  6. Kurosu H, Yamamoto M, Clark JD, et al. Suppression of aging in mice by the hormone Klotho. Science. 2005;309(5742):1829-1833. doi:10.1126/science.1112766
  7. U.S. Food and Drug Administration. FDA approves novel gene therapy to treat patients with a rare form of inherited vision loss. News release, 19 December 2017.